お召し列車を牽引したこともある栄光の機関車

2011.10.20

一九七八年、当時の高木文雄国鉄総裁がとんでもない初夢を正月にぶち上げた。「人類の偉大な文化遺産である蒸気機関車を走らせて後世に伝えたい」とする、保存運転としての蒸気機関車復活である。そして紆余曲折を経て、全国の国鉄路線でただ一か所だけ、蒸気機関車の運転が復活した。それが山口線の「SLやまぐち号」示郡〈現新山口〉〜津和野)で、一九七九年八月のことであった。その後、「SLやまぐち号」の人気にあやかって全国各地でSL復活運転が行われるようになったが、風光明媚な沿線と機関車C57の魅力で復活蒸機の老舗「SLやまぐち号」の人気は今も衰えることはない。「SLやまぐち号」の牽引機はC57形蒸気機関車の栄えある一号機である。細身のボイラーを中心としたそのスタイルのよさから、「貴婦人」という愛称もつけられている。かつては急行列車の先頭にも立ち、新潟の羽越本線や磐越西線で活躍、お召し列車を牽引したこともある栄光の機関車だった。