マナーが資格

2012.01.07

船側の問題点をいろいろ考えたが、今度は対する船客について考えてみる。船旅をする船客の心得るべき点である。まず船旅は限られた船内で何日間も大ぜいの人たちが過ごすのだから、お互いたのしい毎日になるような気づかい心くばりが大切である。まずこういう公共的なマナーの備わらない人は客船に乗る資格はない。船旅に限らず航空機のパックツアーだって同じことだとは思うが、航空機や貸切りバスでの観光は、どことなく行くとこへ行きさえすれば、見るところで見さえすれば一応の目的は果たせる、という合理性が強いので、目をつぶるか我慢するかで片づいてしまうことが多いように思う。

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しかし、船旅というのは人々との心の通いにたのしさがあるのだから、マナーのなさは決定的にたのしさを奪うものになる。私は船旅を何回かしてきて、欧米人の他人に迷惑をかけない公共的な訓練の備わりぶりと、それに表裏一体となる自分の意志をはっきりとつかんだ自由と個性的な行動ぶりをまざまざと見た。他人の気待ちも尊重するが、自分の好みもけっして邪魔されたくないという人との付き合いのルールをしっかり持っているのはすばらしいもので、私は船旅をして何よりの収穫だったと思っている。多くの日本人がこれとまったく逆なのに気がつく。知らない他人に対しては無関心、傍若無人、妙に仲間意識が強くて群れたがり、自分がわからないので、人をたよりに行動する。客船の中でも毎日ツアーコンダクターの説明を聞かないと一日行動できず、団体以外とは滅多に付き合わない。